「成長」や「挑戦」よりも採用でZ世代に惹かれるフレーズとは?
会社説明会で「うちは成長できる会社です」と何度も言っていませんか。「挑戦できる環境です」も口癖になっていませんか。実はこの2語、今の新卒の就活生にはほぼ届きません。Z世代は情報収集の達人です。中身のない言葉はブラック労働の隠れ蓑だと一瞬で見抜かれます。応募ボタンは押されません。知らないうちに、貴社は候補者を失っているかもしれません。
追い打ちの数字があります。マイナビが2026年4月24日に発表した「2027年卒大学生就職意識調査」の数字です。学生が企業を選ぶ基準で「給料の良い会社」が26.6%となり、5年連続で増加しました。「自分のやりたい仕事ができる会社」25.5%を初めて上回った結果です。なお1位は「安定している会社」55.4%で、8年連続のトップでした。物価高と共働き志向が背景にあります。学生の財布感覚は、もう20年前とは別物なのです。
賃上げ余力があるなら、迷わず最大限上げてください。賃上げ補助金は国にも自治体にも豊富にあります。商工会議所や商工会へ相談すれば、自社に合う制度をすぐに教えてもらえます。30分の相談で年間100万円規模の支援に出会えるケースも珍しくありません。知らずにいた企業は、ただ損していたわけです。ダメだよ。
ただし、金額で勝負するのは限界があります。地元の大手や東京の有名企業には、どうしても見劣りします。マネーゲームに巻き込まれれば、体力のある会社が必ず勝ちます。違う土俵で戦うべきです。
そこで効くのが、「成長」「挑戦」の中身を5年先まで描いてみせる手法です。たとえば「入社2年目で20名規模の現場を任せます」と言い切ります。「3年目には自分で工程を組めるようになります」と続けます。専門用語は1つも使いません。学生の頭の中に、自分が働く映像が浮かぶ言い方を選びます。映像が浮かべば「私もそうなりたい」と応募していただけます。新卒でも中途でも、成功事例は山ほどあります。
Z世代は企業の公式情報だけでなく、現場で働く人の実体験を重視する傾向があります。社員の声を通じて働き方やキャリアの実情を具体的に知れば企業理解が深まり、入社後のイメージも描きやすく不安の軽減にもつながります。「入社してから配属や業務が決まる」状態は不安要素として捉えられやすく、仕事内容が不透明な採用には慎重になる傾向も指摘されています。学生が知りたいのは「3年後の自分の姿」なのです。抽象語ではなく、写真のような言葉で語る企業だけが選ばれます。
採用顧問サービスを計酌している専門商社の事例です。契約前は「成長できる職場で挑戦をどんどんしてもらいます」とブラック企業の雰囲気満載でした。しかし、企業で自己分析をやり直した結果「入社1年目で5社の取引先を担当し、2年目に新人2名の教育役を任されます」と変えました。そうしたらもう、学生の反応はまったく違います。すぐに応募が来ました。
ここで現状維持の選択をした会社の5年後を想像してみてください。「成長」「挑戦」の連呼を続けた会社は、応募者数が毎年10〜20%ずつ減っていきます。3年で約半分、5年で約3分の1の水準になります。採用予算は1人あたり80万円から200万円へと膨らみます。それでも採れません。逆に、社員の言葉で語り始めた会社は、半年で説明会の参加率が1.5倍前後に伸びる事例が珍しくありません。エントリー単価は半分以下に落ちます。会社のバランスシートは、採用1本だけでも数百万円単位で軽くなります。
逆風の数字も正面から見ましょう。「楽しく働きたい」が40.2%となり、2001年卒以降で初めて40%を超えました。学生は給料も欲しいし、楽しさも欲しい。「両方ください」という贅沢な世代なのです。だからこそ、社員のリアルな声が刺さります。給料の数字と、3年目社員の活き活きとした働きぶり。この2つが揃った会社が、今勝っています。
貴社が明日からできる動きを、5分以内に始められる形でお伝えします。今いる若手社員5〜10名に、Slackや口頭で1つだけ質問してください。「入社3年目でできるようになった仕事を、家族に説明するつもりで教えて」と聞きます。返ってきた言葉を、説明会のスライドに1枚追加します。採用サイトの「先輩の声」欄にも、そのまま貼り付けます。費用は0円です。所要時間は合計2時間程度です。
巻き込まれた若手社員は、自分の言葉が会社の顔になる経験を初めてします。社内の空気も、確実に変わります。採用が「人事の仕事」から「みんなの仕事」へと広がっていきます。新卒採用の景色が、3か月後には別物になっているはずです。
さぁ、貴社も今日の夕方、最初の1人に声をかけてみませんか。
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