化粧品でシェアを獲る金沢市の競争倍率の低い優良大手ホワイト企業

本日の読売新聞11面より。
https://www.yomiuri.co.jp/article-search/detail/20260811J1TYMPN1200010/

投資対象として澁谷工業はどうなんでしょうか?と解説しています。金沢市が誇る優良大手ホワイト企業ですよ。

まず、澁谷工業が何をしている会社なのかを理解することが大切です。飲料や医薬品、化粧品などをペットボトルやガラス瓶に自動で詰める機械や設備を作っています。コンビニで当たり前のように手に取るミネラルウォーターのペットボトル、薬局で並ぶ薬の小瓶、ドラッグストアで売れている化粧水のボトル——それらを正確に、スピーディーに、清潔に充填する機械の国内最大手がこの会社です。国内シェアは推定80〜90%と圧倒的で、市場を事実上支配しています。言い換えれば、日本中の飲み物や薬が入ったボトルの中身を詰める作業の大半は、澁谷工業の機械が担っているわけです。

この会社の歴史は1931年に遡ります。創業から90年以上が経ち、設立は1949年、東京証券取引所のプライム市場に上場しています。資本金は約113億9,200万円、連結従業員数は3,874名(2025年6月現在)、連結売上高は1,290億円(2025年6月期)です。しかも2025年6月期は、売上高・利益ともに過去最高を更新しました。3年前の2023年6月期が978億円でしたから、わずか2年で約312億円も売上を伸ばしたことになります。右肩上がりどころか、急角度で上昇しています。

なぜこれほど強いのでしょうか。澁谷工業が手がけるのは「受注生産」という方式です。お客様の工場の規模、扱う液体の種類、ボトルの形状、生産ラインの配置——これらすべてに合わせて、1台1台オーダーメイドで設計・製造します。同じ機械を大量に作って売る会社とは根本的に違います。受注から稼働までのスピードが速く、その対応力の高さが顧客からの継続的な受注につながっています。一度、澁谷工業の機械を工場に入れた企業は、メンテナンスや追加設備の発注でも同社に頼り続けます。切り替えコストが非常に高いため、顧客が離れにくい構造になっています。これがなだらかに株価が上がり続ける背景のひとつです。

近年、特に伸びているのが韓国の化粧品向けの充填設備です。韓国コスメは今や世界市場で旋風を巻き起こしており、2024年上半期の輸出額は前年比16%増という高成長を続けています。その急拡大する韓国の化粧品工場が、ラインを増やすために澁谷工業へ次々と発注しています。受注から稼働までのリードタイムが短い澁谷工業は、スピードを重視する化粧品業界から強い支持を得ており、注文が順調に積み上がっています。

事業はボトリングシステムだけにとどまりません。人工透析装置や半導体製造装置を手がけるメカトロシステム事業、農産物を自動で品質別に仕分ける農業用選果選別プラント事業も展開しています。さらに、iPS細胞を使った再生医療向けの自動細胞培養システムでは、世界初の技術をいくつか開発しています。1つの会社が、食品・医薬品・半導体・農業・再生医療という全く異なる分野に同時に関わっています。これだけ多様な事業を持つと、どこか1つの市場が落ち込んでも他の事業で補うことができます。就活生の目線でいえば、「会社が急に傾くリスクが低い」ことを意味します。

中期経営計画を見ると、2027年6月期に売上高1,500億円、2030年6月期には売上高2,000億円を目標として掲げています。今の1,290億円からさらに1.5倍以上の規模を目指している会社に入社する就活生は、会社が成長する過程でさまざまな役割を担う機会を得られます。規模が拡大する会社は、必然的にポジションや仕事の幅も広がります。

気になる待遇面を確認しましょう。有価証券報告書に基づく公式の平均年収は638万円(2024年)です。石川県の平均年収が約426万円ですから、地域平均と比べて約212万円も高い水準です。平均勤続年数は18.1年(単体)で、長く働き続ける社員が多いことが見て取れます。年間休日は126日、週休2日制、夏季・年末年始休暇に加え、育児・介護休業制度も整備されています。さらに同社は「健康経営優良法人」に認定されており(2025年5月発表)、従業員の健康を経営課題として捉えている姿勢が外部から評価されています。

初任給は約24.7万円、家賃補助制度(条件あり)、財形貯蓄制度、社員持株会制度、永年勤続表彰、慶弔見舞金制度、各種クラブ活動が揃っています。出産祝い金は1人目が10万円、2人目が30万円、3人目以降は50万円と、家族への支援も手厚い設計になっています。研修制度は新入社員研修から始まり、2年目・4年目のフォローアップ研修、職能別・階層別研修、社外講座派遣制度、通信教育援助制度、各種資格取得援助制度と多層的に用意されています。入社後にじっくり力をつけられる環境が整っています。

正直なデータも共有します。OpenWorkによる社員口コミでは、月平均残業時間が約34〜35時間と報告されています。決して残業ゼロではありません。ただし残業代はきちんと支給されており、残業代の未払いといった問題は見当たりません。部署によって有給の取りやすさに差があるという声もあります。製造業特有のリアルとして捉えたうえで、自分のキャリアプランと照らし合わせることをおすすめします。

採用対象の学部・学科の幅広さも注目ポイントです。機械系、電気・電子・制御系、情報・経営工学系、化学・物質系、生物・農学系、数学・物理系と、理系の多くの専攻が対象になっています。大学の専攻が活かせる可能性が高く、「自分の勉強が現場で役立つ」という実感を持ちながら働ける環境です。

就活における最大のポイントを明かします。澁谷工業の認知度は、首都圏の就活生の間ではまだまだ低い状態です。インターンシップの参加者は地元北陸の大学生が中心で、北陸以外の学生はほとんどいないという情報もあります。つまり、東京や大阪の大学生にとっては、知っているだけで他のライバルと差がつく企業です。東証プライム上場・売上高1,290億円・過去最高業績更新・80〜90%の国内圧倒的シェアを持つ大手企業に、知名度の低さだけを理由に挑戦者が少ない——これは就活生にとって明らかな「穴場」です。

石川県を含めて北陸の競争倍率が低い優良大手ホワイト企業に入社したい就活生は、金沢市に本社がある澁谷工業を調べてみると絶対に良いよ!

 


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