「風通しの良い職場」とアップしたらPVが6割も減ってしまった!
新卒採用において、ナビサイトや求人票に給与の金額を大きく掲載して、応募者を集めようとしていませんか。実はその方法は、学生にとってあまり響いていません。むしろ逆効果になっているケースが、実際の採用現場で頻繁に起きています。
株式会社学情が2026年8月31日に発表した調査によれば、就職先の決定理由のトップ3は「事業内容」20.4%、「人(人事や社員の人柄や雰囲気)」19.0%、「携わる仕事内容」18.4%でした。一方で、「給料」は前年の11.5%から6.8%に急減しています。給与の金額ではなく、「その会社が何をしている会社なのか」「一緒に働く先輩や上司はどんな人なのか」「自分が毎日どんな仕事をするのか」、この3点で最終的な入社先を決めているのです。
https://service.gakujo.ne.jp/wp-content/uploads/2026/08/260831-navienq.pdf
これは何を意味するのでしょうか。採用にお金をかけて大手の求人サイトに掲載し、給与の数字をトップに出しても、大企業や知名度のある会社と真正面から比較されて確実に負けます。中小企業が給与の金額で大企業に勝てる場面は、ほとんどありません。しかし、事業内容と働く人の魅力を正確に伝えることができれば、話は変わる。お金をかけずに貴社に応募が来る方法があるのです。
そう言うと「ウチの事業内容をナビサイトに書いている」と思っている担当者の方は少なくない。違う、そうじゃない。書き方に問題があるのです。
例えば「総合職を募集します」「製造業務全般に従事していただきます」といった説明では、学生には何も伝わりません。学生は業界の知識がゼロ、社会人としての経験がゼロの状態でナビサイトを読んでいます。
JAのように「農家を訪問して相談に乗り、農業をしやすいようにサポートする仕事」のように、専門用語を一切使わず、その仕事が誰のために何をする仕事なのかを一文で説明できて、初めて学生の頭に映像が浮かびます。映像が浮かばなければ、興味も持てません。
事業内容をわかりやすく説明する際に、学生のウケが得られやすい切り口があります。自社のサービスや製品を学生の日常生活と結びつけることです。「あのラーメン屋さんで使われている製麺機は、ウチが作っています」「○○市の水道が毎日きちんとつながっているのは、ウチがあるからです」という説明はわかりやすいので、学生に強烈な印象を与えます。ゼロだった興味が、一気に前のめりになります。早速貴社の仕事と学生の日常がつながる接点を書き出してみてください。それだけで学生からの貴社への印象が大きく変わりますよ。
次に「人」の部分です。「人(人事や社員の人柄や雰囲気)」は就職先決定理由の2位で19.0%を占めています。学生が入社先を決めるとき、「この人たちと一緒に働きたい」と感情が動きます。しかし採用サイトや会社説明会で経営者や人事担当者だけが登場して終わっている会社が非常に多い。実際に現場で働く先輩社員の顔と声が出てこないのです。もったいない!
採用の場に先輩社員も登壇させましょう。説明会であれば直接話してもらいましょう。面接も担当させましょう。採用サイトに短い動画をアップロードするだけでも、見ている学生の「入りたい」という気持ちは大きく動きます。
今の学生は「失敗することへの不安」が非常に強い傾向があります。入社後に仕事についていけないかもしれない、人間関係がうまくいかないかもしれない、職場の雰囲気に馴染めないかもしれない、こういった不安を抱えながら就職先を探しています。
この不安に真正面から答えられている会社は総じて新卒採用がうまくいっています。若手社員が実際に失敗した経験と、その後どうやって立て直したかを正直に語る場面を、説明会などでかたるのです。話しているところを撮影してYouTubeにアップロードするのです。「失敗してもちゃんとフォローしてくれる会社だ」という安心感が学生の背中を後押しします。
以上、採用で勝つために必要なのは3つです。1つ目は、自社の事業を学生が映像でイメージできる言葉に変えること。2つ目は、現場で働く先輩社員を採用の場に登場させること。3つ目は、学生が抱える「入社後への不安」にひとつひとつ正直に答えること。いずれも今すぐ実践できます。
実際にこのアプローチを試みた会社での変化をお伝えします。ある会社では、3ヶ月以上応募がゼロの状態が続いていました。採用サイトの文章と写真を見直して更新したところ、翌日に2件の応募が来ました。変えたのはお金のかかることではなく、学生に伝わる言葉と写真に書き換えたです。
学生は企業選びの入り口では安定性や条件面を重視しつつ、最終的には事業や人、実際に携わる仕事を決め手としていることが分かります。つまり、最初の入り口で注目を集めるために安定性や職場環境のアピールをしつつ、最終的に選ばれるためには事業内容・人・仕事内容の3つを丁寧に伝えることが不可欠です。ここを意識して採用活動を組み立てましょう。私の採用顧問サービス(採用の穴診断サービス)で行っている内容は、まさにこれです。
一昨日に行った伊那市の講演では、この内容からさらに具体例を交えて話しました。とてもウケが良かったです。
貴社が今からできることは、自社のナビサイトと採用ページを開いて、「専門用語が使われていないか」「現場の仕事が具体的な映像として浮かぶか」「先輩社員の顔と言葉があるか」の3点を確認してください。そして今すぐ修正しましょう。学生はお金より中身で会社を選んでいます。その事実に気付いて実践した会社は、地方の中小企業でも、それほど予算を使わずとも新卒採用は成功していますよ!
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